有料職業紹介許可証

人材紹介業を事業として行いたいと思った時に、必要になってくる許可証が2種類あります。

  • 労働者派遣事業許可
  • 有料職業紹介許可

今回は、私の会社で有料職業紹介許可証を自力で取得してみた体験を元に書いています。
専門家(行政書士)に頼まずしても、自分で取得は可能です!

有料職業紹介許可証の取得までの流れ

まず、許可を申請するためには、基準をクリアしておくべき要件があります。
それが下記の通りです。

  1. 財産的基礎を有すること
  2. 個人情報を適正に管理し、及び求人者、求職者等の秘密を守るために必要な措置が講じられていること
  3. 申請者が当該事業を適正に遂行することができる能力を有すること
    • 代表者及び役員(法人の場合に限る)に関する要件
    • 職業紹介責任者に関する要件
    • 事業所(オフィス)に関する要件

詳しくは、厚生労働省の許可基準で確認できます。

この記事では、要件をクリアして満たしていることを前提に、その後の流れをご紹介していきます。
次の「実地調査」の記事で、この要件に関しても触れているため、参考にしてくださいね。

許可証取得までの大まかな流れとしては下記になります。

有料職業紹介許可証の取得までの流れ
  1. 提出書類を作成する
  2. 有料職業紹介許可証の為の講習会に参加する
  3. 書類を管轄の労働局まで提出しに行く
  4. 実地調査(立ち入り調査)
  5. 許可証発行
蜜子(汗)

提出する書類は大量に必要となるので、心が折れかけますが…
1つずつ着実に書類を集めていきましょう。

許可証が発行されるまでに、申請から約2ヶ月程度を要します。

取得費用について

有料職業紹介許可証の取得にあたっての1番の難所は、何と言っても大量の提出書類だと思います。

これが複雑だったり、聴き馴染みのない言葉や書類に圧倒されてしまい専門家に依頼する方が多いと思うのですが、行政書士などの専門家にお願いした場合平均10万円程度の費用がかかります。
しかも、さらに許可申請に必要な経費があるんです。

許可申請に必要になってくる経費は下記の通り。

  • 講習会参加費用:13,000円(税込)
  • 講習会参加費用:50,000円
  • 登録免許税:90,000円

合計:153,000円

職業紹介責任者というのが1事業所に1名は必要で、この責任者が不在で許可を得るためには、職業紹介責任者講習を受けなければなりません。
この講習会の参加費用は、8,000円代~13,000円代など地域や講習元によって多少の前後があります。

私の場合は、1,3000円で受講しました。

絶対にかかってくる必要経費だけでも15万円程度かかる為、少しでも費用を抑えたいという方には自力で取得する方法をおすすめします。

有料職業紹介許可証必要書類一覧

必要書類は、管轄の労働局サイトから雛形をダウンロードできます。

蜜子(ドヤ顔)

大量の提出書類のため、私には無理だ!と思ってしまう方も多いはず。
だけど大丈夫です!

私は、東京労働局のこちらから全てダウンロードしました。

ただ、添付書類の一部書類の雛形がありませんでした。
そのため、Googleの画像検索をすると誰かが作った見本がアップされているので、そちらを参考にコピペ・名前変更の形で作成しました。

提出書類一覧

  • 職業紹介事業許可証(様式第1号)
  • 職業紹介事業計画書(様式第2号)
  • 届出制手数料届出書(様式第3号)
    ※届出制手数料を選択した場合に限り必要
  • 職業紹介事業取扱職種範囲等届出書(様式第6号)
    ※職種・地域を定めて届け出る場合のみ提出が必要

添付書類一覧

  • 定款又は寄附行為
    ※定款を変更した場合は株主総会議事録も添付必須
  • 登記簿謄本
    (履歴事項全部証明書)法務局で3ヶ月以内の物を取得
  • 代表者や役員の履歴書
    写真は不要!必ず空白期間がないことと賞罰有無を記載
  • 職業紹介責任者の住民票の写し
    マイナンバーは記載不要
  • 職業紹介責任者の履歴書
    役員が兼務の場合は不要
  • 職業紹介責任者講習会の受講証明書
    5年以内に受講した物
  • 最近の事業年度に関わる貸借対照表・損益計算書・株主資本等変動計算書
  • 法人税の納税申告書
    別表1及び別表4 電子申告の場合は税務署の受付が確認できる物
  • 法人税の納税証明書(その2 所得金額用)
    管轄の税務署で取得できます
  • 賃貸借契約書 事務所の契約書
    自宅を事務所にしている場合は不動産登記簿謄本も添付
  • 手数料表
  • 個人情報適正管理規定
  • 業務の運営に関する規程
  • 事務所のレイアウト図
  • 公正採用選考人権啓発推進員選任状況報告
  • 収入印紙5万円分(郵便局で現金購入)
  • 登録免許税9万円 
    銀行や郵便局、税務署等で支払った領収書原本を添付

蜜子

超絶めんどくさがりの私でも出来たので大丈夫!


心折れず自分で行えば10万近くのお金を節約することが出来るので頑張りましょう。

どうしても書き方が分からない場合は労働局に電話して直接聞いてみるのも良いですね。
ちなみに私も2回ほどお電話で聞きました!
役所の方は大変丁寧に教えてくださいました。

ついに労働局へ申請書類提出!

大量の書類が揃ったら、管轄の労働局へ提出しに行きます。
東京の場合は、港区田町にある労働局です。

JR田町駅東口から徒歩で15分程かかるので、重い書類を持って真夏の炎天下の中行くのは辛かったです。

到着後、ビルの3階に上がり担当者に提出。
その場で全ての書類が揃っているのか大まかに確認していただきました。

そして、「細かく修正点等ないか確認するので30分後に戻ってくるように」と言われて一度退席。

30分って中途半端な時間ですよね…

私の場合はお腹も減っていたので、「キッチン湾」という中華料理屋さんで時間つぶしをしました。
会社の食堂のようなイメージで、ランチセットが650 円ととてもリーズナブル。
味もまぁまぁ美味しかったです。

他には、セブンイレブンと「DOG CONCIERGE & COMMUNITY」というワンちゃん連れで行けるお洒落なカフェがありました。

修正箇所の確認から申請受理まで

30分後に労働局に戻り担当者からの修正箇所を確認。
私の場合修正箇所が何箇所か見つかり、鉛筆でご丁寧に修正してくださいました。

修正箇所としては、登記簿謄本通りの記載をしなければならず、そこの部分の修正が多かったです。
また、会社のホームページなどに人材紹介業をしているような表現や記載がないかも全てチェックされていました。

再度修正して持ってくるようにと言われ、次回の来訪日を予約。
この遠い距離を歩くのか~と心折れるが気を持ち直し、再度修正書類を作成し直しました。

2回目の予約日に修正した書類を持参し、全ての書類をチェックしていただき、申請受理。
それから3日後に実地調査の日程の電話が来ました。

事前にOKな日、NG日をお伝えしていたので、それに合わせて日程を組んでくださいました。
次回は実地調査当日の様子を詳しく書いていきますね!

人に任せていたら確かに楽だけれども、自分でやることによって経験値も上がるし知識量も増えるので、自身でやって良かったなと思った体験でした。

何度も言いますが、有料職業紹介許可は自力で取れますよ!!(笑)