3歳の息子の息子が、先天性橈尺骨癒合症(せんてんせいとうしゃっこつゆうごうしょう)と診断されました。まさか自分の息子に先天性の病があるとは思ってもおらず、とにかくパニック状態に!
年間数十人程度の稀な疾患らしく、情報量も少なくて他の方のブログを読みふける日々…
そのため、私の持っている情報や体験が少しでも誰かの役に立てば嬉しいなと思い、記事にすることにしました。4つ目の病院を受信し、正式病名がわかるまでの経緯をご覧ください。
先天性橈尺骨癒合症とは?
注意!
ここからご紹介する治療法や病院・医師の見解は、私の体験談と息子の症例を元に記載しております。個人差があることなので、あくまでも参考程度に読み進めてください。
まずは、先天性橈尺骨癒合症(せんてんせいとうしゃっこつゆうごうしょう)という病気についてご紹介しますね。
先天性橈尺骨癒合症(とうしゃくこつゆごうしょう)とは、生まれつき肘の橈骨(とうこつ)と尺骨(しゃっこつ)が癒合してくっついている病気です。
人間の肘と手首の間には2本の細長い骨があり、両端が肘関節と手首の関節を形成しています。肘関節の外側にあるのが橈骨、内側にあるのが尺骨で、この2本の骨が分離しているから手首の回転などが自由にできるのです。
先天性橈尺骨癒合症の場合、手首の回転がうまくできず、手の平を上に向けることができなかったりします。そしてその症状には個人差があります。
参考サイト:国立成育医療研究センター
先天性橈尺骨癒合症の症状
前腕の回旋運動制限が主な症状ですね。
つまり、手首から肘付近を回転させることが自由にできないということです。
- 手のひらに水をためられない・すくえない
- お茶碗の持ち方がおかしい
- スマホの持ち方がおかしい
- おつりが受け取れない
- キャッチボールがうまくできない・ゴロがうまく拾えない
- 逆上がりができない
この症状も、個人差によって色々ですね!
息子の場合は、手のひらが下を向いた状態で固定されていますが、手のひらが完全に下を向いた状態ではなく30度程度は上に向くことが出来ます。
それ故に発覚が遅れたり、気づかないケースもしばしばあるそうです。
特にお箸やスプーン、フォークをもちにくそうにしていたり、手のひらを上に向けて「ちょうだいな」をやりにくそうにしています。
先天性橈尺骨癒合症発覚までの経緯
息子の病気発覚までの経緯についてですが、息子が生まれてから一番多く面倒を見ている母親の私・祖母ですら全く気が付きませんでした。
ある日、主人が息子と公園で遊んでいる時に、右腕のところがボコっと盛り上がっているから何だろう?と思ったそうです。帰宅後、開口一番「息子の右腕が変だ!」と言っていたので触ってみると、確かにボコっと盛りがっていました。
街のお医者さん・小児整形を受診
大した問題ではないと思いながら、念のため近くの街のお医者さん・小児整形を受診。
レントゲン撮影後に先生の表情が曇りだしました。
「うん…?何だろう?これ。何かおかしい…この肘のところのリンパ…?ちょっと不安ですね…。大学病院紹介するので早めに受診してください」
それを聞いて、大した問題ではないと思っていた私達はびっくり!!
息子が以前お世話になった大学病院に連絡しました。
都立大学病院の整形外科で受診
夕方の17時を過ぎていたけれど、夜間救急に整形外科の先生も当直でいるし、お母様心配でしょうから今から診ますよと言って下さったため、すぐに大学病院へ向かいました。
再度レントゲンを取り直して、当直の整形外科医の先生が触診。
そして、険しい表情を浮かべながら…
「お母さん、これは腫瘍の可能性があります。骨の軟骨にできる腫瘍の疑いも否定できないので、すぐに紹介状を出すので骨軟骨腫瘍科のある大学病院を紹介します。都内に骨の腫瘍科がある病院は数少ないでそこの専門の先生に診てもらってください」
え?腫瘍?悪性?癌?骨軟骨腫瘍科?息子は癌なんですか?
もう胃の中のものを全て吐き出しそうなくらいショックで立っていることもやっとな程の衝撃でした。あまりのショックに当時の記憶が曖昧なのですが、外国人の夫は日本語も理解できずただただ呆然…。
しかし、ただならぬ私の様子に「お父さん・お母さんに来てもらおう!」と言い出し、両親にすぐに電話をかけて来てもらいました。
その間もあまりのショックさに食欲もなく号泣。
それを見ていた息子も、心配そうな表情で何かを感じ取っていました。
・・・(ママどうしたの?)
後で母にはすごい怒られ、こういう時ほど母親は気丈に振る舞って子供の前で泣いちゃいけないの!と。昭和の母って強いな…
都内のがん専門病院・骨軟骨腫瘍科で受診
紹介状をもらい、本来ならば予約の電話をしてから行かなければならないと思いつつも、気が気ではなくそのまま翌日朝の7時半に病院の初診外来に並びました。
受付の方に「待ちますが、本日受診できます」と言われ、癌専門の病院で骨軟骨腫瘍科の先生に見てもらいました。
エコー検査と触診の結果、またまた険しい表情の先生…。
もう頼むよ!これ以上悪いことは言わないでくれ!と神頼み。
先生:「うーん…腫瘍ではないと思うんだけど、、、何だろうこれは?脱臼とか骨折したことはある?うーん、、、ないのか。腫瘍ではないと思うんですが、小児外科の専門の先生に一度見てもらってください。僕では判断しきれない部分があるので。」
え??腫瘍ではない?!腫瘍科の専門の先生がそういうのだから腫瘍ではないのだろう。ただ、何だろうこのはっきりしない返答は…
東大病院の小児外科の専門の先生に紹介状を書いて頂き、病院の会計待ち中に早速予約の電話をかけました。
東大病院・小児外科で受診し、病名発覚!
さすが天下の東大病院!
予約センターの方曰く予約が取れるのはずーっと先とのこと。
「紹介状持っていますか?」と聞かれたので、今までの経緯と骨軟骨腫瘍科からの紹介というと、余程病状が悪いと思われたのか(がん専門病院からの紹介だったためか)保留にされて、先生直々にお電話に出てくれました。
経緯を説明すると、先生が「親御さんも心配でしょうから、今から診てあげるから直ぐに来れる?」とおっしゃってくださり…
その足で急いで東大病院へ向かいました。
東大病院に到着後直ぐに、小児外科の先生の受診。
そして、ここでようやく先生より、正式病名を言い渡されました。
先生:「お母さん、恐らく彼の手は、橈尺骨癒合症です!年間数十人程度の稀な疾患で恐らく先天性のものだと思います。手術となった場合にはここの病院では出来ず、橈尺骨癒合症専門の先生が国立生育医療研究センターにいるので紹介状を出します。」
まずは、命に別状がなかった事、腫瘍ではなかったことに安堵。
先生も英語が話せたので丁寧に夫に病名や症例などを細かく説明してくださいました。
それから、国立生育医療研究センターの紹介状を貰いその日は終了。
その後、国立成育医療センターで受信し、手術を予定しております。
まとめ
息子が最初の病院の受診からこの病名が発覚するまでに、色々な病院と先生を周り、その度に不安な思いと葛藤・安堵を繰り返してきました。
まるでジェットコースターのように…笑
最終的に国立成育医療センターの橈尺骨癒合症の専門の先生曰く、この疾患は年間にわずか数十名いるかどうかの珍しい病気。
一般的な整形外科の先生はあまり目にしたことがなく、たまに腫瘍と誤診をされて受診する方もいるとのこと。まさに、うちがそのタイプでした。
- 街の小児整形→リンパの異常?何かがおかしい!大学病院へ受診をすすめられる。
- 都立大学病院→腫瘍(悪性かも?)の疑いあり。癌専門病院 骨軟骨腫瘍科に紹介状。
- 都内のがん専門病院 骨軟骨腫瘍科→腫瘍ではないが、見たことがない症例。何だろ?これは!小児外科の専門がいる東大病院へ紹介状。
- 東大病院 小児外科→病名発覚!橈尺骨癒合症。ただここでは治療できないので国立成育医療センターへ紹介状
- 国立成育医療センター→手術予定
正直な気持ちとしては、色々紆余曲折言われた中で、2番目の先生の悪性腫瘍かも発言あって結果的には良かったです。
もしもあの発言がなければ、癌センターへ行くこともなく、またそこから権威ある東大病院の専門の先生に当日予約なしで診てもらえる訳もなかったですから。
方向付けをしてくれたこの先生には感謝しています。
ただ、人生で二度とあの様な経験はしたくないですけどねw
そして、東大病院での病名発覚からの専門科のいる国立成育医療までの流れが約1ヶ月程度しか掛かっておらず、本当に運が良かったと思っています。
次回は、国立成育医療センターでのもっと詳しい話について書きますね。